当ブログのコメンテーター、kirokuyaさんから日経新聞の切り抜きをいただいた。倍賞千恵子さんが寅さんについて書いたもの。渥美さんが亡くなった時の山田洋次監督、リリーさん、さくらさんのエピソードを読むと、彼らが本当の家族であったことが感じられる。
幻に終わった「男はつらいよ第49作」の打ち合わせをしたひと月後だったという。この作品中、寅さんが旅先で子供たちとかくれんぼをしていてそのまま息を引き取るという場面が予定されていたと前に何かで読んだ。
渥美さんの体がよくないことを知っているからか、寅さんを観ていても、笑いながらどこか寂しさを感じている自分がいる。でも喜劇とはそういうもの、悲しみと表裏一体であるものなのかもしれない。
岸惠子さんがフランスに渡って間もない頃、レストランで今にも自殺しそうな悲愴な顔で食事している男性がいた。心配になって(当時の)ご主人、イヴ・シャンピ監督に聞いたところ、なんとその男性はフランスのトップコメディアンだったとのこと。
寅さんの死の場面も予定されていたという49作めを観たかったが、制作者の責任として物語を終息(完結)させようとした監督に対して、寅さんをみんなの中で生き永らえ(未完)させようとした渥美さんの方に軍配があがったといえるかもしれない。
コメントをお書きください
kirokuya (火曜日, 09 1月 2024 15:00)
お正月とお盆は寅さん!松竹のドル箱として長らくそんな昭和が続きましたね。1970~(20代の頃)あたりは夢中で生きてて、リアルタイムでは数本しか観てないのですが、映画館でゆる~い時間を過ごしたのは覚えてます。
高倉健さん、藤純子さんの(任侠もの)にははまったのですが、寅さんの(任侠)の方は、とても親しめました。カッコ良かったです。テキヤの寅さん、今でも好きです。
渥美清さんのあの大きな愛くるしい顔はDVD、ネット配信…ではなく、やはりスクリーンで観たいものです。どっかの映画館で…
男はつらいよ特集 全50作 2本立て
やってくれまへんかなぁ!?
それこそ幻か…
雛澪 (火曜日, 09 1月 2024 23:49)
私ももちろんリアルタイムでは寅さんを観てませんが、映画のフィルム撮りが
なくなる直前、京都南座で寅さんを数本上映する企画があり、観に行きました。
山田監督と浜村淳さんの対談もありました。浜村さんは年齢相応な感じでしたが
年上の山田監督の方は背筋もシャキッとして活舌もよく、すごく若々しかったのが
印象的でした。