☆彡三味線の怖い夢ふたたび

先日、主人と二人で千里の団地で行われたイベントに出演させていただきました。高知出身の方や筑豊出身の方がおられ、よさこい節や炭鉱節では一緒に唄ったり踊ったりの楽しい会となりました。
 さて、その本番2日前に私がみた夢の話。
 舞台に出て三味線を弾こうとすると、なんとその場で糸が3本とも切れてしまいます。本番前には新しい糸に替えるのでありえないことです。焦ったのなんの。しかもスローモーションのようにゆっくりと切れながら、糸の回りにはキラキラっと漫画みたいな光がきらめいて……。
 普通ならここで舞台袖に引っ込んで、先に主人に弾いてもらうなどの対策をとるばず。しかし私はお客さんに何か喋りながら舞台上で糸を替えているのです。主人によるとその時「何をするかといいますと……むにゃむにゃ」と寝言を言ってたそうです。めったに寝言なんて言わないのにビックリです。「何をするかといいますと、今から糸を替えるのです」とかお客さんに言ってたのでしょうか。
 ようやく3本の糸を替え終わって時計を見ると、すでに舞台に出てから45分が経過しています。普通は3本の糸を替えるのに所要時間5分ほどです。

元々は私の演奏15分、二人での共演15分、その後主人の演奏30分ほどの予定だったのです!! しまった、主人に悪いことしたなどと思ってはいるのですが、45分の糸換え作業をお客さんに延々と見せたあげくにそこから自分の持ち唄3曲を悠々と演奏し始める私。糸が切れて焦ってた割にはたいした度胸です。

文楽三味線の鶴澤清介師は、床(文楽で、太夫と三味線弾きが座っているところ)がくるっと回って舞台に出た瞬間「あっどうしよ。三味線の暗譜できてないわ」という恐ろしい夢を何度もみたそうですが、ある時夢の中で「でも今まで大失敗したことはないから、今回もたぶん大丈夫やろ」と思ったそうで、それ以降その夢を全くみなくなったとおっしゃってました。芸人魂ですね。