☆彡映画「まる」

堂本剛くんには何の責任もないのだけど、この主役って演技力ゼロでもできるよな。脇役すべての好演、熱演、怪演や大袈裟なまでのユーモアは光っていた。特にコンビニバイトの同僚でミャンマー人の森崎ウィンくんが最高によかったけど、彼は本当にミャンマー出身なのですね。脇役とのコントラストという点では主役も成功と言えるのか。
 いくらなんでも哲学も必然性もないただのが作品として売れるわけがないし、すでに60年くらい前に吉原治良が描いてた絵やん。吉原率いるニッポンのグタイ(具体美術協会)と赤瀬川原平らが展開したハイレッド・センターは世界の美術史の中でも最高位に位置する二大ムーブメントだと私は思っていて、未だこれらを超える現代日本美術は出現していないと感じる。

話がそれました。映画「まる」の中のはただの狂言回しでもっと大切なことをこの映画では言ってるんだと思うけど、神は細部に宿るという通り、こういう部分の詰めの甘さが作品全体のレベルを下げてしまうのがもったいないんだな。
 堂本くんと同じクールな視点でもってすれば、いろんなことを抱えながらも日々の地味な仕事に励んでいる人たちの誠実さと浮き足立った人たちとの対比は面白かった。ラストシーンが秀逸ですね(ネタバレのため詳細は割愛)

堂本くんが歌うエンディングテーマは映画に似合ってなかった。

 エンディングが終わり館内の電気がついて立ち上がった時、丸い白いものが足元に落ちているのに気づいた。私のポーチから転がり出た化粧用のパフだった。

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コメント: 13
  • #1

    kirokuya (火曜日, 22 10月 2024 03:38)

    ( 昭和会 お礼メール送信後に拝読)

    *まる
    綾野剛が出ているので、観る予定でした○予告編観ているので、ネタバレはなかったです〇

  • #2

    雛澪 (火曜日, 22 10月 2024 23:23)

    綾野剛さんまたまた怪演でした。
    まったく、目の離せない人です。
    片桐はいりさんには笑いました。ぜんぜん気づかなかった。

  • #3

    kirokuya (木曜日, 24 10月 2024 17:10)

    観ました。

    この映画の最大の失敗は、主演に堂本剛を器用したことでしょう。脇の役者さんたちはそれぞれ、好演、熱演、怪演でしたが、まぁこれぐらいはやるやろ、な感じでした。お目当ての綾野剛、最近、脇が多くなってきたかな…残念。やはり、花腐し、カラオケ行こ!の演技が光ってたので、主演作が観たい。脇で光ってたのは、さりげなく森崎ウィンですかな。監督が底流にしたかったのであろう仏教観。諸行無常だの、これ食って茶飲めだのありましたが、

    森崎ウィン:福徳円満円満具足

    が、一番響きました。
    姉さんご指摘のとおり、エンディングテーマは臭かったですし、オーラスの抽象画も要らんでしょ!挿入した意図がわからん。造られたスタッフさん、キャストさんに敬意を表しつつ…
    2.5評価。

  • #4

    雛澪 (木曜日, 24 10月 2024 23:41)

    ははは、いつになく辛辣なkirokuyaさんのコメント……。
    上記文末に書いた「ラストシーンが秀逸」とは、一生懸命働いていた柄本先生が
    とてもいい味出してたことです。
    決して堂本くんが再度転んだことではありません。
    綾野剛さんは脇役が多いけど近日公開の映画にものすごくたくさん出てます。
    「まる」の中の綾野剛さんは私のかなり好きな役です。
    ネットニュースによると「まる」はやっぱり酷評を浴びてるみたいで
    「綾野剛の無駄遣い」との意見には笑いました。確かにそうかも。

  • #5

    kirokuya (金曜日, 25 10月 2024 02:50)

    評価基準のめやす:
    4.0~5.0→A=優
    3.0~3.9→B=良
    2.0~2.9→C=可
    0~1.9→D=不可
    鑑賞履歴の備忘にしているものであり、再度の鑑賞の時は変わることがあります。
    不可予想の作品は観ませんし、クリエーターへの敬意を失うことではありません。

    荻上直子監督作品
    *川べりムコリッタ(2022)
    観てました。
    nextoneに期待します。

  • #6

    kirokuya (金曜日, 25 10月 2024 02:55)

    訂正
    *川べりムコリッタ

    *川っぺりムコリッタ

  • #7

    kirokuya (金曜日, 25 10月 2024 19:06)

    補足:
    小生文中(オーラスの抽象画)→エンドロールの後の12枚の絵画。

    本編のラストシーンの夕焼けの橙色は美しかったです。

    柄本先生の交通誘導。没落したのか?鯉のえさ代稼ぎのアルバイトなのか?三角版の意味は!?さて…

  • #8

    雛澪 (月曜日, 28 10月 2024 14:33)

    柄本先生の交通誘導員、私の解釈はこうです。

    彼は高名な茶道家ではあるが
    1:それだけではやはり収入が心もとない
    2:高齢とはいえ少しは体を動かした方がよい
    3:高慢な人間にならないように、一般人としての感覚を失わないように
    のいずれかの理由、またはこれらを融合した理由により、誘導員をしているのです。

    1:若い頃働いていた会社から、繁忙期だけでも手伝ってほしいと言われて渡りに船と
    2:茶道の弟子に教えてもらったシルバー人材センターに登録して
    のいずれかの方法でこの職についたと思われます。

    彼はもちろん茶道を愛していますが、誘導員という地道な仕事も気に入っており
    多い時で週3回くらい路上に立つこともあります。
    体力仕事を終えた後、家に帰って自分で点てて飲むお茶は本当においしいものです。

    池の鯉に餌をやっている時に迎えに来た助手の女性は、高名な先生がアルバイトなど
    していることを、マスコミや他の先生方に知られたらやっかいだと困っていますが
    そんなの知ったこっちゃない、と先生はアルバイトを楽しんでいます。

    三角版は気づきませんでしたが、工事車両の目印のために置くやつでしょうか。
    「まる」に対立する概念かといったら、たぶん考えすぎでしょうね。

  • #9

    雛澪 (月曜日, 28 10月 2024 14:47)

    今気づきましたが、たったあれだけの短い出演だったのに、ここまで背景や人物像を
    想像させるとは、柄本明という俳優はやはりすごい人なんですね!!

  • #10

    kirokuya (火曜日, 29 10月 2024 04:57)

    おお~すごい推察ですねぇ。

    茶道の先生が交通誘導員してるあのシーンが謎めいていて、想像を膨らませています。三角板標識を堂本くんに掲げながら、三角形の面積の求め方を連呼している。ブログ筆者さん推察のように〇に対する概念を表したかったと思うのですが…また、鯉池から助手?に連れ戻される時に、円周率の小数点以下を呟いていたりも謎です。茶室に招いて、これ(饅頭)食って茶飲めとか、道に迷ってる堂本くんに何かアドバイスしてる風でもあります。

    高名な茶道家であり、高名な数学者であり、高名な禅僧であり、高名な交通誘導員。『今、此処』の体現者なのかも?謎は膨らむばかりです。

  • #11

    雛澪 (火曜日, 29 10月 2024 09:50)

    面積の公式連呼はすっかり忘れてました。あと、円周率のつぶやきも深い意味は
    ないような気がする。
    最悪なのが、随所に挿入される「祇園精舎の鐘の声……」です。
    トップシーンでこれをされた時「この映画観に来たのは失敗だったかな」と
    まず思いました。
    だいたいの映画は冒頭10分以内に好きかどうかわかるので。
    こういうのを使うと、映画(原作?)の中に不思議な情景・概念が醸し出されて
    観客は喰いつくだろうと思っているのが短絡思考過ぎ、鑑賞者をナメてる気がします。
    もっと知識人しか知らないような珍しいことを挿入するならまだわかりますが。
    ネット上の映画評で一般の人が「幼稚な映画である」と言ってたのが
    全体評も含めて、こういうことも言ってるんじゃないかと思います。
    悪い映画ではないけど、幼稚な映画……腑に落ちる感想です。

  • #12

    雛澪 (火曜日, 29 10月 2024 09:57)

    「盛者必衰の理をあらはす」というのは、平家物語の力を借りるんじゃなく
    映画のストーリーの中できちんと描けばいいことじゃないの、ってことです。
    映画を観終わった後、観客の何人かが「そういえば平家物語でも言ってるよね」
    と感想を持つのが映画としてのよい流れだと思います。
    好きじゃない映画についてはどうしてこんなにいろいろ言えるのだろう。
    好きな映画にはあまり何も言えないのに。

  • #13

    kirokuya (水曜日, 30 10月 2024 02:34)

    観るタイミングと、鑑賞後の評価がよろしくない。で一致しましたね(ww)

    ー柄本明さんのことー
    少し触れさせてください。
    画面のうしろ隅に居るのに視線を送り、背中を向けているのに存在感があり、黙っていても圧力のある稀有な役者さんのひとりです。
    東京乾電池の舞台俳優の頃は知らないのですが、初見はテレビドラマだった気がします。その後、映画でもみかけるようになり、その(目立ち感)は圧倒的です。怪優、怪演という言葉が、そのままあてはまる方です。
    彼お目当てで観に行こうというのではなく、たまたま出ていたら(もうけもん)くらいの感覚でしょうか。私より5歳年上ですが、また儲けさせてください。あんじょう頼んまっさ…

    ー片桐はいりさんのことー
    彼女もまた怪優でしょう。今作の古書店店主役の風貌は、完全に自分から監督へ注文だったと思います。儲けもんでした。