☆彡塩田千春 つながる私

 塩田千春さんの展覧会(大阪中之島美術館)に夫と行った。開始直後に友人のKちゃんとも行っていて、あまりにもよかったので2回目の鑑賞。

 大阪での展覧会開催は16年ぶりだそうだ。名前は知っていたし、いい作品というのも知っていたからたぶんその16年前の展覧会も観たのだと思う。どんな作品かはすっかり忘れていたが。

 トレードマークともいえるのが赤や白の糸を編んでつくったネット状の大きな作品。それに天井から吊るされた回転する巨大なドレス。言葉を超えた迫力や不思議さに圧倒される。糸、というのも私たち三味線弾きに通じるものがある。

 1回目の鑑賞時に私がKちゃんに言ったのが「久々に骨太の現代美術を観た」という言葉だった。塩田さんはドイツ在住だそうだが、草間彌生さんに続く日本が世界に誇るべき美術家ではないかと思う。

 Kちゃんと行った時は、開始間もないこともあり観客数が1コーナーに10人弱くらいだったので、シーンとした静けさの中で作品が存分に堪能できた。今回は会期終わりに近く、かなりの混雑具合で雰囲気がだいぶ違っていたことが残念だった。なんでもタイミングって大事だなあ。

 諸外国に倣って日本の美術館でも写真撮影OKのところが増えている。私もフランスに行ったときなどうれしがって作品の写真をたくさん撮ったので偉そうなことは言えないが、展示されているほとんどすべての写真を撮ってる人ってどうなの? とはちょっと思う。それだったらポストカードか展覧会図録を買って、美術館や作者の収入に貢献した方がいいのでは? 何より、撮影してる人がいると鑑賞者の流れに支障をきたすので、撮りたくてもできるだけ控えめにする方がよいと思う。作品の前に並んで記念撮影するのもどうなの? あなた作者じゃないんだから……。

 

 よく考えたらフランスの美術館ではかなり以前から撮影OKだけど、撮影している人はほとんどいなかったのである。