☆彡京都ぶらぶら

 主人のお誕生会で久々に二人で京都にお出かけ。まずは「10分モンブラン」でおなじみのSweets Cafe KYOTO KEIZOさんへ。主人は「恋い抹茶の10分モンブラン」私は「和栗の10分モンブラン」を注文。「時間がたつと中のメレンゲに水分が移ってしっとりするので食感が変わります。10分過ぎてもおいしく召し上がっていただけます」と。あらそうなの、そりゃありがたや。しばらく待っていると店員さんが呼びに来て、離れにある菓子工房でモンブラン製造の様子を見せてくれる(希望者のみ)

 小さな工房の中に作る人が入っていき、私たちは庭からガラス越しに見学するのだが「一緒について入っていったらビックリしはるかな~」「このクリームを絞るところ、新人の店員さんでお客さんに見られるの初めてやったら手が震えそうやな」などと、中に声が聞こえていたら笑われそうなことばかり言っているうちに完成。

 賞味期限10分のうたい文句や工房見学のイベント性ばかりでなく、味もすばらしい。栗の風味がすごくしっかりしてて、おそらく今までに食べたモンブランで一番! クリームが甘すぎないからパキッとした抹茶の新鮮な苦みも際立っている。ボリュームも満点。運んで来られた時に店員さんが「メレンゲの上にクリームが乗っているので、ナイフで真ん中から切ってお召し上がりください」と言っていたとおり、もし端から切ったら一気に形が崩れてしまっただろう。カレーなど軽食もされていてそちらもおいしそうだった。またぜひ行ってみたいお店。

 KYOTO KEIZOさんを出て三条会商店街を散策。京町屋・古民家風の喫茶店やレストランが点在する。本当に何十年も前から営業してるんだろうなという店構え・インテリアのお店も多く、店主らしきおばあちゃんがコーヒーを入れながら常連さんと話し込んでいたりする。インバウンドの人も大喜びだろう。

 テレビなどでもおなじみの茶道家、ランディーチャネル宗榮さんが営むカフェを偶然発見。夫が喜んで「ショーン・コネリーや!」を連発。た……たしかに似てる。ショーケースのケーキや和菓子もおいしそうだったが、モンブラン直後のため断念。海外出身の方が日本文化を理解され、継承発展に尽力下さっていることは本当にすばらしくありがたいこと。このお店「らん布袋」さんもまたそのうち行ってみたいね~、とか言いながら商店街をぶらぶらしていると夫が「あっ今ショーン・コネリーが店から出てきて、カッパ着て自転車で走って行ったで」と。

 その後、地下鉄で京都市京セラ美術館のモネ展へ。前身の京都市美術館時代は本当によくお世話になった。大阪のナビオ美術館、神戸の兵庫県立美術館、そして京都市美術館が2030代の私を育てたと言っても過言ではない。しかし2020年のリニューアルオープン以降はなんと今回が初めての訪問であった。

 建物は大きく変わっていたが、かつての古い建築をそのまま生かす形で現代風の洗練された建築と融合させ、美術館裏の庭園も整備されて遠景の山脈につながる素晴らしい風景が広がっている。リニューアルと聞けば古きよき状態がなくなってしまうのではないかと心配することが多いが、このリニューアルにはとても感動した。

 モネ展を堪能した後は、小雨の中をぶらぶら歩いて祇園まで。お正月の文楽公演で観た「仮名手本忠臣蔵」の舞台のひとつである一力茶屋(一力亭)へ。ここは元々「万亭」という名前だったそうだ。仮名手本忠臣蔵で演ずるときは「万」の字を分解して「一力」という名前のお茶屋にした。ところが芝居が大当たりだったために、本家本元のお茶屋さんまで「万亭」から「一力亭」に改名してしまったのだそうだ。

文楽や芝居などでは各方面への配慮(忖度)から実在の店名や人物名を少し変えて役名にしていることが多い。大石内蔵助も文楽では大星由良之助だ。ちなみに、昨年赤穂に旅したとき、「ゆらのすけ」という市内循環バスが走っていた。また、赤穂の牡蠣を売りにする居酒屋のイメージキャラクターは、武士の格好をした「かきのすけ」だった。さすがにバスや牡蠣に「内蔵助」をつけるのは子孫の方々にも申し訳ないと思ったのかな。

 もちろん一力亭で食事はできない(一見さんお断りの最高峰のお店。花見小路から門の中を覗いてただけで警備員さんに注意された)ので、誕生会最後は四条駅前にあるロシアレストラン「キエフ」さんで豪華ディナー! ここは歌手の加藤登紀子さんのお父様が始められたお店で、今は登紀子さんのお兄さんが代表をされているようだ。ランチには何度かお伺いしたが、ディナーは今回初めて。どのお料理も野菜がたっぷり入っていて、しみじみと美味しくてボリューム満点。特にマッシュルームのクリーム煮壺焼きとビーツのソースがたっぷりかかったウクライナ風ポークカツレツが最高! 美しい夜景と共に美味しくて幸せなディナーでした。

 

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コメント: 1
  • #1

    kirokuya (水曜日, 30 4月 2025 03:15)

    京都連れ歩き、終日満喫されたのですね。お幸せが伝わってきました。

    今作のツボ:ショーン・コネリーでしょう!
    今作の学び:一力茶屋、命名の由来。
    今作の笑い:かきのすけ ってあんた!?

    京都は好きで、時々ヨタヨタとひとり歩きしています。直近では、出町座→モダン焼き専門店フジ→ふたばの豆餅。また近々行きたいな。